リウマチ治療

リウマチにはハリ灸治療が効果的です。

2年間、訪問治療している女性(70)は、リウマチで両手両足が動かず、歩くことも立ち上がることもできません。

肩と指が多少動くので、辛うじてスプーンを使って食事はできますが、肘、膝、足首、足の指がロックしているのでいつもあぐらをかいた姿で座っています。

実は、この女性には抗ガン剤(リウマトレックス)が処方されています。抗ガン剤はガン以外でも使用されているのです。初めて訪ねたころは自殺しようにも手足が動かないのでできず、気が狂ったようになって家の人も近寄れないことがしばしばあるという状態でした。
リウマチは膠原病と同じく自己免疫疾患といわれ、この場合は脾経のツボを用います。

肩と大腿の関節は多少動くのでそこにもハリ灸をします。ただ、初めのうちは柔らかくなる感覚がありましたが、身体が治療に慣れてしまうのか大きな改善は見られません。但し、気持ち良さは格別です。本人の希望で週2回訪問し、針で本治法をしてから、さらに手技で可動域を少し痛く感じるところまで動かします。手や首は、治療の間ずっと温めるようにしています。

また、痛いときには家族が温湿布をするよう指導し、足は生姜湿布をしてもらっています。治療を始めて半年くらいで表情がもの凄く変わってきました。
それだけにご主人が非常に喜んでおられます。

西洋医学ではリウマチ、膠原病、アトピー性皮膚炎等は免疫亢進の病気と捉えられており、アトピーの人に臓器移植のときに用いる免疫抑制剤を使う医師もいます。このリウマチの女性も免疫抑制剤が使われ、その後、抗ガン剤が流用されていたのです。

東洋医学では、脾臓の病気はリンパ球が減っていると考え、免疫が弱っているので免疫を強めるため温める方法をとります。
免疫学の安保徹先生もそう主張されておられます。

西洋医学と東洋医学を統合し、補完するといっても根本的なところが違っていては難しい話です。