喘息の治療

68歳の男性は、気管支喘息が持病でした。喘鳴が激しいためハリ灸を施しました。

東洋医学では呼吸器系は肺経に属するため、それに沿って取穴しました。
「尺沢」「経渠」「内関」「労宮」「曲泉」「復溜」「京門」「肺兪」「心兪」「膈兪」「兪府」「気戸」「期門」などです。

穴には肝経、腎経も含まれていますが、理由は肺と肝が近いこととこの男性が腎虚証であるためです。基本的に喘息は実証に属するため写法が望ましく、それは鍼で行い、灸で腎の穴を補いました。

仰向けで施術に入り、背面に移ったところで「息が吸える」と声を上げました。喘息の人は咳き込むのが怖くて浅い呼吸になりがちですが、深呼吸しても大丈夫だというのです。

残念ながら翌日には再び喘鳴が出ますが、長年苦しんできた本人にはそれでも有り難いとのことです。

当院には難病指定の方も通っていますが、鍼や灸によって必ずや光明が見出せると信じて日々施術に励んでいます。